小麦の政府売り価格値上げ 2013年10月より 4.1%
2013年8月28日、農林水産省は輸入小麦の政府売り渡し価格を10月から、主要5銘柄平均で現在の価格より4.1%引き上げ、1トン当たり5万7260円にすると発表した。
【うどん・菓子用の「ソフト系」は6.2%の値上げ】
主要5銘柄のうち、うどんや菓子などに使う2銘柄は6・2%増で、パンや中華麺用の3銘柄は3・0%増。
今回の値上げの主要な要因は円安で、輸入価格が押し上げられたため。今回の価格決定の基準となる3~8月の円相場の平均が、1ドル約99円で推移し、前回基準の昨年9月~今年2月の約84円を2割近く上回った。また小雨で生産減となったオーストラリア産小麦の価格が高止まりしたことも影響した。
1年ぶりに上昇した昨年10月の価格改定に続き3期連続での上昇になる。ただ今回の引き上げ幅は今年4月の9・7%からは縮小した。
小麦の国内需要は約9割を輸入に頼っており、今後、家庭用小麦粉や、パン、菓子、麺類などの小麦を使う食品が値上がり傾向に繋がる可能性が出てきた。
一方、2013年度の小麦生産量はロシアやEUなどの増産で、米農務省の需給予測では、史上最大となる見込み。シカゴ商品取引所の小麦先物価格は下落基調にあり、27日の期近価格は1ブッシェル(約27キロ)当たり6.51ドルと、昨年よりも3割近く低い水準にある。 ただし、依然新興国の消費拡大などで、供給不安はくすぶったままで予断を許さない状況とのこと。
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