
蕎麦屋の系図を考えると店の特徴が見えてくる
蕎麦屋さんを考える上で 「出自」 つまり修業先は重要になる。 この店も修業先の立川 「無庵」 を抜きにしては語れない。 すべての要素でクオリティが高いところも同じ、料理が蕎麦屋の料理を逸脱していない点も同じである。 それは、澁田さんの兄弟子に当たる熊谷 「加那や」、弟弟子の葉山 「惠土」 東村山 「土家」 も同様だ。
時の移ろいを愉しむために
酔いしれて、ふと我に返ると、いつの間にか周りの陰影が深くなっていた。 日が屋内から遠のいて、傾いた西日が庭の木々が鮮やかに見せ始めていた。 この瞬間が好きだ。 飲みながら時の移ろいをも愉しむ。 こんな蕎麦屋はなかなかない。 空間でもなく酒でもなく料理でもなく蕎麦でもなく、それらはもちろん素晴らしいものだが、第一には時の移ろいを愉しむためにこの店に来る。 そんな蕎麦屋の愉しみ方があってもよいと思うのだ。
(2010年9月取材)
<お店情報>
店名 | : | 雙柿庵 (そうしあん) |
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住所 | : | 東京都西多摩郡日の出町大久野1487 |
TEL | : | 042-597-3802 |
営業時間 | : | 12:00~15:00 (入店~13:30) 17:30~21:00 (入店~19:00) |
定休日 | : | 水曜・木曜 |
アクセス | : | JR五日市線「武蔵五日市」駅よりバス5分、「大久野中学校」下車、徒歩1分 (駐車場なし) |
メニュー | : | コース料理のみ 3500円(平日昼のみ)、5000円、7000円 (前日までに要予約) |