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御正忌蕎麦 親鸞上人の忌日に 1月16日

【親鸞上人とお蕎麦】 -親鸞聖人蕎麦喰木像にまつわる話―

長さ118mの柳の棟木で知られた三十三間堂の東側にある法住寺及び比叡山 無動寺谷大乗院には、親鸞が自ら自分の姿を刻んだという木像があって親鸞聖人蕎麦喰木像とよばれています。
比叡山無動寺谷大乗院の親鸞聖人蕎麦喰木像は他宗派の浄土真宗の宗祖の像が天台宗のお寺に祀られている珍しいケースです。

親鸞が範宴という号で比叡山で修行を重ねていた頃の話ですが、薬師如来の夢告で、京の六角堂へ百夜の参籠を続けていた時期がありました。ところが弟子仲間の僧たちの間では、「都の女のもとからの朝帰り」と噂があがります。
師の慈鎮(慈円)和尚は心を痛め、ある夜、京へ親鸞がおりた頃合に、急に弟子を集め“そば”の振る舞いを行いました。集まった弟子たちの名を順に呼んでいって「範宴」の名前をと呼ぶと「はいっ」と返事があり、慈鎮はその噂が本当ではなかったと安心して弟子たちと蕎麦を食したといいます。

何も知らずに明け方に帰ってきた範宴と弟子たちは、その話を聞き、範宴が二人居るはずがないと驚いていると、弟子の一人が穏やかな顔をして座っている範宴の自刻の像をみつけたといいます。留守の親鸞の代わりに木像が親鸞となって現れ“そば”を食べ、事なきを得たという伝説になっています。


【御正忌蕎麦】

その浄土真宗の開祖親鸞(しんらん)の忌日前後に行う法要を御正忌法恩講と言います。
忌日は陰暦11月28日。京都浄土真宗本願寺の御正忌は1月9日から16日にあたります。
この浄土宗開祖・親鸞上人の命日に本願寺の法王が食べる「儀式そば」を御正忌蕎麦または法要蕎麦とも言います。
法王の食器は銀地に亀の模様の漆器で、この法事に関わる12人の役僧の食器は朱塗りとされています。
福井市の真宗三門徒派の専照寺では11月21~28日の御正忌にはおろしそばが振舞われたりもします。