お盆の蕎麦打ち【荷縄そば】8月13日~
古くより、8月13日~16日のお盆の時期、多くは15日にそばを打ちました。
これは仏様が帰る際に、供物をそばで背負うと信じられていたことに由来します。そのため、お盆の最中にそばを打ち、そのそばを精霊棚とも言われる盆棚の飾り縄にしたり、茄子や胡瓜で作った馬や牛(精霊馬)の背にかける習わしがあります。これを「荷縄」、「背負い縄」、「鞍縄」ともいいます。
【荷縄そばの慣習】
元禄十六年(1703)江戸版の雑俳『たから船』にも「細々と・そうめん餓鬼の荷付縄」の冠付けが見られ、風俗の古いことがわかる。
長野県飯田市では15日、新潟県中魚沼郡津南町上郷宮野原・谷内では16日にそば、佐渡郡羽茂町大崎(現、佐渡市)ではうどんを仏様の荷縄と呼ぶ。
群馬県勢多郡東村(現みどり市)・利根郡片品村、神奈川県足利上郡、鹿児島県肝属郡高山町(現、肝付町)では、生うどんが背負い縄になる。
香川県の小豆島や長崎県五島の久賀島島(福江市現五島市))では、そうめんを背負い縄に用いる。
群馬県吾妻郡六合村和光原では、送り盆のうどんを仏様のカチンナワ(背負い縄の方言)というが、それを取っておいてムシ(胃酸過多症)が出るときに食べると治るという。
参考文献【蕎麦の辞典】 新島 繁著