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【端午蕎麦】2012年5月5日は蕎麦で祝う

「端午の節句」は5月5日にあたり、「菖蒲〔しょうぶ〕の節句」とも言われます。強い香気で厄を祓う菖蒲や「よもぎ」を軒(のき)につるし、また菖蒲湯に入ることで無病息災を願いました。

また、「菖蒲」を「尚武〔しょうぶ〕」という言葉にかけて、勇ましい飾りをして男の子の誕生と成長を祝う「尚武の節句」でもあります。

端午の節句に食べるものといってまず思い浮かぶのは、ちまきや柏餅。


桃の節句の【雛そば】 に比較するとあまり広まっていない習慣ではありますが、五月五日の端午の節句にそばを食べる慣習があります。

端午そばの最も古い記録としては、元禄八年(1695)に日光東照宮に端午の祝儀としてそば粉が献上されたとあり、恒例の行事となっていることから、献上のそば粉でそばを打ったものと思われます。

『御番所日記』元禄八年(1695)五月四日の条に「一御門主様江端午之御祝儀そばこ七升献上 惣社家中」とあります。

また『小堀屋秘伝書』(享和三年・1803)には、季節の品書きとして「五月菖蒲(あやめ)わり粉(小麦粉)壱升に、せうぶ細かにきり入れもむべし」と、菖蒲麺を挙げている。

菖蒲の葉を刻むか、根をおろして小麦粉に加えたもので、そば粉を使えば「菖蒲切り」となります。

端午の節句にはちまきを食べるのが一般的ではあるが、邪気を祓う端午にふさわしい蕎麦ともいえます。


参考文献:「蕎麦の事典」(新島繁/柴田書店)