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【宗田節】土佐清水で入札即売会 去年より105円高。出品量は過去最低。

2012年4月13日、高知県の土佐清水市浦尻の土佐清水鰹節水産加工業協同組合(武政嘉八組合長)が宗田節の入札即売会を開いた。全国から集まった買い付け業者25社が参加し、1キロの平均単価は昨年より105円高い974円で過去10年の最高値となった。

宗田節は土佐清水市で22業者が生産し、全国一の生産量を誇る。全長が40センチ程度とカツオの半分ほどの大きさの「メジカ」ソウダガツオが原料。ソウダカツオにはマルソウダガツオ とヒラソウダガツオの2種類がある。


かつお節と共に日本蕎麦店やうどん店のおつゆや出汁に密接なかかわりをもつ宗田節。
近年、国産の宗田節は、不漁と出漁船の減少、生産者の高齢化などで減産傾向にある。この日の出品総量は、入札即売会が始まった1965年以来最低だった一昨年の60・72トンをさらに下回る48・9トンだった。(参考までに10年前の2002年の出品総量は約188トン。)


【丸宗田節と割宗田節】

宗田節は魚のサイズが小さいため、「生切り」工程で頭をとり、内臓を取り出し、その状態で煮熟される。煮熟の後、そのままの状態で焙乾して作る宗田を「丸宗田節」と呼ぶ。「丸宗田節」には骨や若干の内臓が残っている。「丸宗田節」は通常、焙乾して製造が終了する。

一方、煮熟の後、頭を落とし完全に内臓を取り除き、中骨を取って身を半分に割り、焙乾された節は「割宗田節」と呼ばれる。丁寧に余分なものを落とした宗田節の出汁は雑味やエグ味がなく、力強いコクと風味のある味となる。この「割宗田節」の形態が土佐清水では主に製造されている。


【裸宗田節と枯宗田節】

薫製にして乾燥させた「裸宗田節」は関西地区や中部地区で多く使われる。
一方、関東地区で多く使われるカビ付けした「枯宗田節」は裸節をセイロに並べ高温多湿になる設備でカビ付けした後、天日干し→冷暗所に保管という工程を2.3度繰り返し、出荷するまでには半年以上かかるが、天日干しすることによって、風が余分なカビを飛ばし、日光がカビに色をつけ節を熟成させて、旨味が増していく。

中でも特に、冬の1月~3月に獲れるソウダガツオは、寒目近(カンメジカ)と呼ばれ、魚自身に脂肪分が少ない為、サイズ・質ともに 最上級の宗田枯節となる。


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