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並木藪蕎麦 2011年11月1日 再開

並木藪蕎麦が2011年11月1日に再開する。並木藪蕎麦は「藪御三家」と呼ばれる名店の一つ。並木藪蕎麦の創業は大正2年。旧浅草並木町にある建物で今年2月いっぱいまで、営業をしていた。

旧店舗は戦後に建て変えられた店舗なので、まもなく六十有余年を迎えようとするところだった。周囲にはビルが立ち並び、まるで旧店舗は異空間のようにポッカリと時間が止まったかのように風情ある佇まいだった。

堀田浩二氏は先代から代を受け継いで以来、老舗の暖簾の大きさとそこに集う人々の想いを感じていた。 長い年月を経た建物は、その独特な雰囲気や風情ある佇まいをかもし出していたが、中で働くものとしては、その経年による老朽化を人一倍感じていた。

「お客様に何かあっては、先代に申し訳がたたない。」苦渋の決断だった。

最初に建築を担当した設計者には8階建てのビルへの建て替えも提案された。「蕎麦屋ですから2階建てでいいんです。」「建て替えることにはなるが、なるべく旧店舗の雰囲気をそのままに残せるように」という堀田氏の真意を汲んでくれる現在の設計者に代わり、その建て替えの構想と準備は2年越しのものになった。担当者は2年間の間、1週間に一度は旧店舗を訪れ、旧店舗の隅々までスケッチに残した。

2011年2月末日。「並木藪蕎麦」は、まもなく100年という前店舗での営業を、まるで普段の営業を終えるように、ひっそりと終えた。

その11日後、本来ならば、通し営業の最中である2時47分。あの忌まわしい東日本大震災は発生した。

2011年11月1日、「並木藪蕎麦」は再開する。